百道(ももち)から

考えの切れっぱし

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『白い馬をさがせ』を読んで

毎晩、眠たい夜は早口になりながら、ときにはあくびをしながら一章ずつ読み、とうとう最後の16章まで読み終えました。子どもが先に寝ちゃって読めない日もあったから20日ぐらいはかかったかな。 散歩中に引越し準備のトラックの荷台にうっかり乗ってしまい、…

辻山良雄著「本屋、はじめました」を読んで

新聞書評でこの本の作家の辻山良雄さんと、経営する書店の事を知り著作を読むにいたった。本を誰から選んでもらうか、どうやって出合うかというのは重要です。ある日、何気なく読んでいた記事の、辻山さんの選書がピタリときて、何か親和性のようなものを勝…

昨日も今日も

昨日も今日も、お手伝いに行ってきた。どちらもとあるイベントの受付の担当。間違いをしないか、きちんと物事を運べるか。昔は自信満々だった気がするけど、年を追うごとに怪しくなって、心配が増える。最近は、だいたい私以外にきちんと立ち回れる方がいら…

『ぼくらの戦争なんだぜ』を読んで

戦争をどう捉えるか、考え続ける本である。書いている源一郎さんご本人が、発見したところもあり、大いに迷っているところもあり、前のめりで探索している。凄みをもって。読む私たちも読みながら一緒に考え続ける。 フランスとドイツの教科書は正直、驚いた…

新しさと定番

映画や小説に触れるときは、いつも新しさを求める。自分がつくるものもそう。新しさがあって、誰かに伝えなくてはおれない、そんな羽詰まった感じがなければ、モノを世に送り出す意味はないと思う。 しかし自分という部屋のなかには、安心できるようなものも…

機嫌がいいということ

現場の雰囲気は大事だ。明るく、前向きなほうがいい。どちらかというと少しぐらい浮かれたぐらいがいい。そうするほうがいろんなことがキャッチできる。私の年なら、自分が雰囲気を悪くしているかも知れないということに、気づくことかも大事かもしれない。…

ざわざわと

心がざわざわしている。落ち着かない。何かに対してまっすぐ向かっていけていない。大丈夫か。なんだろう。10 年という節目を迎えた。ただの数字かもしれないけれど、私がなんとなく決めたことで、彼女の人生は決まってしまった。今さらだけれどよかったんだ…

『さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!』を読んで

『さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!』を読みました。映画『さかなの子』を見逃してしまって、悲しんでいる私にもととなったような本があるよ、とある方が教えてくれたのでした。 さかなクンの幼少期からタレントとしてまた、東京海洋大学客員准教…

『沖縄戦下の米日心理作戦』を読んで

大田昌秀著『沖縄戦下の米日心理作戦』(岩波書店)を読んだ。 心理作戦とは爆撃などによる攻撃と並行して行われる攻撃を指す。ビラやラジオ放送、新聞などを使い、敵国の兵隊に向けて白旗を挙げ、捕虜になるよう促すのを目的とすることだ。民間人には戦意を…

現代の暴力

自分たちが歩いている道が どこへ向かっているか 未来はわからない けれど 気づいたら戦争が来ていたとは いいたくない いえやしないから 今をしっかりとみつめる 過去を掘り返して つぶさにみて 埋み火のように潜むものがあればひっぱりだして 日の本にだし…

推敲、万歳

さっきから推敲をずっとしていた。私の場合、原稿の書き方は毎度違うのだけれど、今回は推敲からが長い。初稿の完成度が低かったということだ。ふと、いとうせいこうさんの言葉を思い出した。「今、生き残っているのは推敲をし続けた人だ」と、ある講座でお…

句会に呼んでいただいて

昨夜は私が俳句を始めるきっかけとなった、俳句会の25周年句会でした。10年ほど離れているのですが、呼んでいただけて光栄でした。 俳句の季語にひかれて、俳句をやってみたいなと思っていたのが15年ほど前。先輩のコピーライターさんとたまたまお茶を飲んで…

『秘密の森の、その向こう』

『燃ゆる女の肖像』が大好きで、最新作ということで足を運びました。寝不足だったこともあり、途中すみません、眠くなるところもあったのだけどそれぐらい心地が良い映画。音楽も後半までずっとなくサイレントな中で、まるで絵画のような木々が色づく森の中…

ふいに

高史明『生きることの意味 青春編 第1部 少年の闇』を読んでいる。日本による朝鮮の植民地支配により、強制的に連れてこられた朝鮮人家族の次男・高史明さんの青春期を綴ったものだ。支配、貧困生活、戦中・戦後の不条理などを経験し、闇を抱え、捨てながら…

『井上ひさしの言葉を継ぐために』

先日は岩波ブックレットの『井上ひさしの言葉を継ぐために』を読みました。2010年4月に井上ひさしさんがお亡くなりになりましたが、九条の会で活動をともにしていた方々が井上さんの作品や人となりについて語った記録です。こちらに出てくる方の何人かは鬼籍…

多田治著『沖縄イメージを旅する』

多田治著『沖縄イメージを旅する』を読みました。 www.amazon.co.jp 仕事のおかげなのですが、年に何度か沖縄に足を運ぶようになって、4年が経ちました。離島も含めてさまざまな土地に立ち、その度に目を見開き、耳をかっぽじって物事を見聞きし、出会う方…

俳優座 音楽劇『人形の家』

福岡市民劇場例会にて、俳優座公演の音楽劇『人形の家』を見てきました。私なんかはノーラなんなの!って感じで見ちゃうんだけど、市民劇場の大多数を占める年配のお姉様方はどう感じるのか、伺ってみたかったです。展開としてはノーラがはっと目覚めるあた…