百道(ももち)から

考えの切れっぱし

『ぼくらの戦争なんだぜ』を読んで

戦争をどう捉えるか、考え続ける本である。書いている源一郎さんご本人が、発見したところもあり、大いに迷っているところもあり、前のめりで探索している。凄みをもって。読む私たちも読みながら一緒に考え続ける。

フランスとドイツの教科書は正直、驚いた。少なくとも私はこういう風に自分たちの祖先がおこしたことについて習ってはいない。

野戦詩集、戦争の真っ只中で制作をしていた太宰治、従軍作家であった林芙美子が書いたもの。到底、一度には消化しきれないことが並んでいる。

源一郎さんは悩んでいる途中だから、考えがまとまっていないところがやはりあって、同じ章のなかでも考えがあっちこっちに向いていることがあって。でもそのあっち、とこっち に私たちが考える種がある。この本にはそんな種がいっぱい。これで1,200円とか。安すぎます。