百道(ももち)から

考えの切れっぱし

尊敬するということ

 連休は日本舞踊、バレエ、ヒップホップと踊り漬けの三日間だった。すべて鑑賞および稽古の見学。客席かレッスン場の板間に座る日々だったな。

 印象深かったのは最終日のヒップホップダンスのレッスン。その日は著名なダンサーが遠方から見えて、指導をする日だった。私が到着したときはそのダンサーさんが出演者50人ぐらいを前に、車座になって話を始めたところだった。すっと伸びた美しい肢体、余計なものが何もついていない体。力んだところは何もない、話しかけやすいやさしい雰囲気をまとっていた。踊り手たちのなかに、プロのダンサーはほとんどいない。この日はほぼ初対面だ。そんな人たちに「どういう人たちが知りたいから」といって、時間をとって言葉と気持ちのキャッチボール。そこには互いを尊敬し合う、美しい空気が流れていた。ダンスが好き、ダンスが好きだという人たちが好き、ということも熱いぐらいに。